$80超えたから、かなりいい線いったと、あのときは、思ったんですよねー。
ところが、筆者がCL株を売って2週間もたたないうちに、コルゲートったら、イギリスの消費者向け製品で同規模の会社レキット社と買収話が持ち上がってるというニュースが出て、一気にびょい~~~~~んと$86まで上がってやんの。
んもー、そうならそうと、2週間ももったいつけてないで、さっさと言ってよ!ディッシュウォッシャーとガス台だけじゃなくて、冷蔵庫買う足しにもできたのに!(笑)
先週は、そういって地団駄踏んでた筆者である。
★ ★ ★
週明け月曜の米株市場は全般にイケイケモードに覆われたが、なんといっても筆者が思わず注目してしまった銘柄は Dietrich Coffee(DDRX)、今日一日で、29.47%の上昇である。
年商たかだか6000万ドルの小ぶりなコーヒー会社に何がおこってるのか。
「ディートリッヒ」という名になじみのある人は少ないだろうが、米国では「K-CUP」という商標で出ているコーヒープロダクトで、日本でも「キューリグのKカップ」というブランドで売られてるから、この会社がつくってる製品については見聞きしたことがある人はいると思う。コーヒー豆が一杯分づつ挽かれて小さなカップに収められてて、専用のコーヒーメーカーで一杯づつ淹れるようになっているんですよね。
コーヒー中毒の筆者は、スターバックスでずいぶんと散財してたのだが、2008年頃からなんとなく一杯4ドルも出してコーヒー飲むのは【もったいない】とセコク思うようになり、できるだけ現金貯めようと思って、スタバでコーヒー飲んだつもりという「つもり貯金」をめざしてた。だが、そういうみみっちい考えの人間は、筆者のほかにも世界中にいたらしく、スタバの業績は2008年から急降下した。(ここのところ、また盛り上がってきてるけどね。)
Kカップも2008年まではパッとせず、株価はズルズル下がりまくって、2009年はじめごろは一株20セントだの30セントだのという絶望的な水準にいたのだが、新しい経営陣を迎え、アメリカ中がいきなりK-Cupに目覚めたかのように、同社の業績は上向き始めた。
ところで、このディートリッヒ・コーヒーだが、実は、我がMurray Hill Journalで、今年の5月29日のMHJ記事の中で、数週間で1500%上昇した「ありえねーだろ株」のひとつとして紹介したんである。2000年から9年近くただの一度も10ドルを超えたことのなかった小型株が、今年4月あたりから数週間でいきなり16ドルに!とトレーダー達が注目してたからね。
たしかに業績は上向いてる様子ではあった。みんなスターバックスに行くのを止めて、自宅やオフィスで、K-Cupでチマチマ一杯づつコーヒー淹れてたのだろうか。
だけど、売り物はコーヒーですよ、コーヒー。急に何十倍も消費増えるようなもんじゃないでしょ。
MHJ記事に書いた当時(5月ごろ)のDDRX関連ニュースを読み直しても、1500%上昇を説得できるような記事やコラムは見当たらず、某記事はこの株が上昇してる理由は(1)事業が上向いてきてること、(2)ショートカバーが入ってること、の2点という(浅~い)分析が語られている程度。しかし、その後も、株価だけは強含みで推移し続けた。
そんなこんなが半年も続き、DDRXは【夢の小型株】に!でも、さすがに、ちと、うますぎる話ということで、市場でも話題となり、今年の10月後半には、「ショートしたくなる株」として、あちこちでその名が語られるようになった。
筆者もときどき目をとおしている株ブログに『Seeking Alpha』というのがある。このサイトには多くのブログ記事投稿者が常連として登録していて、ネット上で読者と情報交換している。たま~に、耳寄り情報が出ることがあるんですよね。ここに、10月29日に「DDRXの株価操作をやってるやつがいるんじゃないか」という内容の記事(書き手は“自称”ヘッジファンドのアナリスト)が載り、センチメントが急激に悪化してDDRX株は25%ダウンした。
別のブログ『The Motley Fool』では「世界で一番ブキミな株:DDRX(World Scarist Stocks: Dietrich Coffee)」というタイトルの記事を10月30日に掲載したり、【夢の小型株】DDRXも、クリスピークリームドーナツ(KKD)と同じ末路を辿るのでは、とも言われてた。(クリスピー・ドーナツ、日本では行列ができるほどの人気フランチャイズだそうだが、こちら本国では、会計スキャンダルと経営陣不調和で本社はボロボロ。)
Jackson America という匿名ブロガーによって Seeking Alpha 上に掲載された記事は、記事の書き手の素性がわからず、「風説の流布」の恐れが取りざたされて、Seeking Alphaの管理者によって、記事そのものがブログページ上から削除された。
(でも、記事は削除されても、その記事につけられた当時のコメントはそのまま残っているんで、どんな内容だったか大体想像つくのが、ご愛嬌。笑。)
当時のコメントから判断するに、その投稿ブログ記事には、以下のような文章があったらしい。
"I’ll assume that most investors are aware of the pending Starbucks (SBUX) and Peet’s (PEET) K-Cup launches, which will likely destroy Diedrich’s market position"
「投資家の多くは、スターバックス(SBUX)とピーツ(PEET、Peet'sはアメリカの別の大手コーヒー販売会社)の間でK-CUP(と同様の)プロジェクトを始める準備を進めておりそれが現在ペンディングになっていることはすでに承知していると思う。だが、もしこれが決まれば、ディートリッヒのマーケットポジションは甚大な打撃を受けることになろう。」
このブログ書き込みにより、この日DDRXの株価はパニック売りとショートで急落、翌取引日も続けて下落した。
ところが!である。
この『Seeking Alpha』への投稿記事が出た数日後の11月2日、その問題のPeet's社は、スターバックスと手を組んでK-CUP市場に参入するどころか、DDRXそのものを一株あたり$26で買収に出ることを正式発表、DDRXの株価はふたたびオファー額近辺まで急上昇するというローラーコースター状態。
このあたりのDDRXの株価推移は、以下のとおり。
10月26日(月) 29.75
10月27日(火) 28.65
10月28日(水) 25.96
10月29日(木) 26.80 ←Seeking Alphaにブログ記事
10月30日(金) 21.80
11月02日(月) 20.36 ←取引終了後に$26で買収と発表
11月03日(火) 25.83
11月04日(水) 25・04
30日、2日と一気に25%落ちたところでDDRXを拾ってた者達は、笑いがとまらなかったことであろうな。
そして、DDRXをショートしてたトレーダーからは「SECに言いつけろ!」との声があがったが、それと同時に、この記事の書き手 Jackson America という投稿者は、雲隠れ。
Jacksonとは、果たして何者だったのか・・・?
DDRXが、こうした激しい株価の動きを示している間も、市場でこの動きに【正当な理屈】をつけることが出来るものはほとんどいなかったように見える。誰もコンヴィクション(Conviction=証券売買に際し、確固たる自己の意見を持つこと)を持てなかった、というのが正解だろう。
Seeking Alphaの記事コメント欄に、こんな文を見つけた。
"the market can remain irrational longer than you can remain solvent"
(市場は、あなたが支払い能力を保てる期間よりも長く、不合理な状態を続けることができる。”
言いえて妙。DDRXの株価は、株価の適正水準を図るツールのどれを使っても、IRRATIONAL(非合理的)だったのである。
Peet'sによるオファーが飛び出し、両者のネゴシエーションの期間は今月27日まで。それが過ぎたらディール終了の運びとなるはずだった。みんな11月2日から先週の金曜日(20日)まで、PEET’sによる$26オファーでケリがつくと思っていたら、ネゴ期間締め切りの一週間前、11月20日、今度は別の大手コーヒー販売会社グリーン・マウンテン・コーヒー(GMCR)が$30という新たなオファーを持ち出してきて、PEET vs. GMCR の一騎打ちという格好になり、ビッドアップを期待する市場は、ディートリッヒ買収劇の決着へのスペキュレーションで、月曜のDDRXの株価は一気に$33に29%アップ!
今年の3月は30セントとか言っていた株ですよん。それがいまや33ドルだもんね。実に100倍以上である。
あぁ、これぞ、まさに【夢の小型株】じゃぁ、ありませんか。
(※ しかし、ウジウジ型の筆者としては、素直に「へー、すごいねー」で納得はしないんである。ついつい考えてしまうのは、MHJ記事にとりあげた5月ごろからDDRXを着々と買い増していたのは、どこのヘッジファンドだろう、ってことが気になる・・・。 )
★ ★ ★
筆者はいまだに、ファンダメンタルズが株価に追いつかない、と強く感じている。
そう思って売ったコルゲート株だったのに、【買収話】でビョ~~~~ンと上昇。
ディートリッヒも、MHJ筆者のみならず、市場の多くが「ありえねーだろ」と思ってたのに、やっぱり【買収話】でビョ~~~~~ン。
現在のような状況では、そのときそのときの会社の業績やファンダメンタルズなんか見てても意味なし、ということか。買収ターゲットになりそうな先をせっせと漁ったほうが、手っ取り早いかも、などと考えてしまった。
それにしても、コルゲート、悔しいわ・・・。
買収話が公になる寸前に手放したCL。いい会社だと太鼓判押してたくせに、自分で買っとくの忘れたAMZNやNFLX。 どうも、ここ最近、不発続きの筆者である。 ま、タイミング取ろうとしても、情報収集力で個人がヘッジファンドにかなうわけないんだから、無理な話だけれど。
★ ★ ★
しかし、筆者が考えてたとおりになったことも、(たまに)ある。
今日はそれのアップデートも書いておき、CL株やAMZN株で流した涙を忘れることとしよう。
10月22日のMHJ記事『モルスタ3Q09決算:商業用不動産という「おもり」』で、モルガンスタンレーにとっての目の上のタンコブ、Crescent という大型不動産投資がどうやら「ディープな債務超過状態」になっていると書いたのを覚えておいででしょうか。
あの記事で筆者が書いた段落をそのまま持ってくると、
『これは筆者の勝手な憶測だが、MSはクレセントからウォークアウェイ(Walk Away)する気だな。エクイティ分の95%がすでにあの世にいっちゃったんだもん。借金を全額耳をそろえてお返しするより、んなもん、バークレイズに熨斗紙つけてくれてやる、ってことか。』
で、このクレセントの一件についき、11月21日付けのウォールストリートジャーナルに「結末」が掲載された。
Morgan Stanley Ends Costly Crescent Phase: Barclays, Property Firm's Co-Founder Retake Assets (Wall Street Journal, 11/21/09)
同記事によると、筆者の憶測どおり、MSは、やはりクレセントからWalk Awayし、「バークレーズとの間に結んだ20億ドルの借り入れ契約を白紙に戻すのと引き換えに、物件の鍵はバークレーズにお渡しした」そうである。文字通り、「熨斗紙(のしがみ)つけてくれてやった」んである。(バークレーズの融資担当者がMS本社前で発狂して叫んでいたかは未確認。)
この不動産投資の失敗により、MSが取った累積損失は、エクイティ投資がパーになった分プラスその他諸々の償却経費も含めて9億5千100万ドルなり。
以下は21日のWSJより抜粋。
Morgan Stanley has been scaling back its risk exposure by trying to sell illiquid mortgage assets, while hiring in other areas of bond trading where securities are viewed as easier to trade and the company doesn't have to commit as much capital to serve investors and issuers. The firm had $4.4 billion in real-estate investments as of Sept. 30, down from $4.9 billion at the end of
March.
「モルガンスタンレーは流動性の低いモルゲージ資産を売却することでリスク・エクスポージャを減らしてきており、一方で、投資家や発行体のためにさほどのキャピタルをコミットしなくても済む分野で債券トレーディングの採用を増やすなどしてきた。9月末時点で同社の不動産投資額は44億ドルで、3月末時点の49億ドルから減少している。」
But bets made on real-estate before the bubble burst still are coming back to haunt the company. In 2006 and 2009, Morgan Stanley announced raising at east $14 million for its series of real-estate funds known as MSREF.
「しかし、バブルがはじける前に行った不動産投資への賭けはいまだに同社を悩ませている。2006年から2009年の間に、モルガンスタンレーはMSREFと呼ばれる不動産投資シリーズファンドとして140億ドルの投資資金を集めた。」
As the commercial-real estate market soured, clients took massive losses on investments in the funds. California State Teachers' Retirement System's $400 million investment in Morgan Stanley's MSREF VI International LP fund was own 80% as of March 31, and Calstrs's $137 million net investment in the MSREF V U.S. LP fund was worth just $300,000.「業用不動産市況が悪化するに従い、同社のクライアントも巨額の損失を取る羽目になった。カリフォルニア州教職員退職システム(CalSTRS)は4億ドルをモルガンスタンレーのMSREF第6シリーズ・インターナショナルLPファンドに4億ドルを当初投資したが、3月末時点で価値は8割減となった。また同じくCalSTRSはMSREF第5シリーズ米国LPファンドに投資した1.37億ドルも価値は30万ドル程度まで落ちた。」
(中略)Still, Morgan Stanley hasn't lost its appetite for managing real-estate investments and is in the process of raising another fund for clients.
「それでも、モルガンスタンレーは不動産投資マネージメントへの意欲は失ってはおらず、クライアント向けの新たな不動産ファンド立ち上げの準備をしている最中である。」
(抜粋以上)
モルガンスタンレーという会社は、不動産の分野では、ウォール街の中でも最も伝統が長く、不動産が得意という自負もあるんだよね。だから、こと不動産投資にかけては面の皮の厚さは人一倍、クレセントごときに失敗したからといっていちいちドギマギするようなナイーブさなど、一切持ち合わせていないんである。リスクまみれの物件を相手に放り投げて借金帳消し。
しかし、商業用不動産はまだまだ悪化しそう(担保価値はまだ下がる)というのが市場のコンセンサスだというのに、どこもかしこも、モルスタみたいに「担保物件まるごと差し上げますから、借金は帳消し、お願いね~~~!さいなら~~~~!」なんてことになったら、誰が大変かといったら、そうした投資資金を「融資」という形で融通してあげた、一般商業銀行である。
バークレーズみたいな大手はまだいいですよ。2000億円分の不動産物件がポーンと降ってきても、それをマネージする人材もノウハウもあるんだもん。
しかし、商業用不動産向け(CRE=Commercial Real Estate)の資金は大手銀行の独壇場だったわけじゃない。いや、実際、中規模・小規模の金融機関にCRE融資はむしろ集中している。
先月半ばに、米預金保険機構のシーラ・ベア会長は講演でこんなセリフを吐いた。
The most prominent area of risk for rising credit losses at FDIC-insured institutions during the next several quarters is in CRE lending. While financing vehicles such as commercial mortgage-backed securities (CMBS) have emerged as significant CRE funding sources in recent years, FDIC-insured institutions still hold the largest share of commercial mortgage debt outstanding, and their exposure to CRE loans stands at an historic high. As of June, CRE loans backed by nonfarm, nonresidential properties totaled almost $1.1 trillion, or 14.2 percent of total loans and leases.
預金保険がかかっている金融機関が向こう何四半期にも渡って信用損失の増加を目の当たりにするリスクが最も高い分野は商業不動産向けの貸し出しである。近年、商業用モルゲージ担保証券(CMBS=Commercial Mortgage-Backed Securities)などのビークルがCRE向けの資金源として多大な役割を担っていたことは確かだが、それでも、預金保険機構の傘下にある銀行群が商業用モルゲージ残高の最大シェアを持っており、これら銀行のCREへのエクスポージャは高く、史上最高の水準にいる。6月末時点で農地を除いた個人住宅以外の物件を不動産担保としているCRE融資は総額で1兆1千億ドル、銀行システム全体の融資残高総額の14.2%に相当する。
この1兆1千億ドルの借り手が次々と、モルスタの真似っ子して「物件に熨斗紙つけてくれてやる」と言って、貸し手にリスク丸投げ作戦を取ることにしたら、どうなるのか。
答えは、金融機関の破綻はまだまだ続く、である。(ちなみに先週の金曜日で今年124件目の銀行破たん。)
「金融機関が次々に破綻してる最中に、信用拡大が勝手に起きて、企業の資金繰りは楽になり、失業も減って、経済拡張モードが芽生える」、そういう薔薇色のシナリオが起こりえるとしたら、どなたか、筆者に説明してください。
金融機関が次々に破綻してる最中に、信用拡大しようとするなら・・・
そう、銀行システムは、セクター全体でみると、もっともっとキャピタル(資本)を調達しなければならない、ということである。そして、資本調達は、単刀直入に、株式の希薄化を意味するのだ。
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9 comments:
こういう過去の取引話は興味ないです。成功例も失敗例も。過去の話や予測は必要ではなく、今の事実を知って自分で判断する材料があるとうれしいです。もちろん、自分のブログでなに書こうが勝手ではあるのですが、それは承知の上で意見させていただきました。
コーヒー狂想曲ですかw まあこちらも倒産しかけた電気店が、外人に買われて暴騰し、その後沈没したとかありましたね。ジェットコースター話はどこにでもありますね。
株式の希薄化ですか・・・・・こっちは銀行に限らず幅広く増資の嵐(と言ってもGDP比1~2%程度ですが)が来てまして・・・・・なんか実感が湧きますw
米国ではあまり増資は無いのですか? ストレステストでの増資以来、こちらのニュースではあまり聞きませんが、どんな状態なのか・・・・・お教えいただければ幸いです。
>Anonymousさん
貴重なご意見、ありがとうございます。たしかに、過去こんなの買ったとか売ったとか、他のかたから見ると、どうでもいいことではありますが、これらが「今の事実」から完全に外れているかというと、そうでもない、と思います。
というのも、いまだに米株市場で「強気」にいるマネージャー達の多くが「強気」の理由としてあげている点が、(1)企業業績が非常によかった(セールスの伸びよりも、コストカットという一時要因に依存しているという点は無視されがち)、そして、(2)M&Aが継続することで株価は続伸する基盤がある、と考えているからです。CLの株、あるいは、DDRXの株、ともに、M&Aが材料となって株価が躍進しましたよね。こういうのが、今後もどんどん出てくると考えているファンドマネージャーが少なくない、というのは、まさに「今の事実」です。
また、モルスタの件は、過去にこういうことがあったよ、という一過性の話ではなくて、ここから先、金融セクター全体への【インプリケーション】を多々含む重要な動き、とわたし自身は受け取っています。モルスタの一件は、あれが特殊なストーリーではなくて、ある意味、“ありふれた”不動産投資失敗例のひとつであるからです。
今後も、忌たん無いご意見、ぜひ聞かせてください。
>ROM人さん
コメントありがとうございます。銀行群の増資は、ご指摘のとおりストレステストのあたりで一応一巡したことになっていて、その後、連銀が「TARPを受け取った銀行の自己資本はまにあってる」と確認する発言したりで、いまのところ、シーンとしてます。表向き、日本のメガ銀行さんたちのようなことにはなってませんが、資本のクオリティが落ちているのは、米国の銀行とて同じこと。(シティなどは繰り延べ税金資産の問題で自己資本のクオリティが極端に低く、ニッチもサッチもいかなくなってるようですし。)
以前、銀行の3Q決算についてのブログ記事に書きましたが、住宅関連の融資に対する引当金はかなり積んだという印象を持ちましたが、商業用不動産向けの引き当てが押しなべて不十分という印象も強かったので、収益を積み上げていって資本ベースを強化してゆくというシナリオは、米銀は当面無理じゃないか、と。ここで商業用不動産の償却が重くのしかかったら、増資という動きになると思います。商業用不動産の問題悪化は来年にピークになりそう、と読んでます。
祝! MHJ一周年~!
これからも書きたいことをのびのびとガシガシ書いてください(笑)。
こんばんは。
コーヒー依存症、私もです。
こちらは年季の入ったデフレモードに再突入です。ドリップコーヒーは、一個25円のダイエーブランドをマンキツしています。
“商業用不動産の問題悪化は来年にピークになりそう”、
規模は遥かに小さいですが日本も同様ですね。
4兆円程度のCMBSを含めて全体で10数兆円の不動産ノンリコースローンがあるといわれ、今年後半から来年度以降に更改のピークを迎えます。エクイティー水面下の案件も多く、不動産で返済すると公然と発言して顰蹙を買った運用会社もいます。
巷間2010年問題と呼ばれています。
前回のバブルとも比較にならない規模ですが、薄利の邦銀にはかなり堪えるでしょう。
今回は、ノンリコースローンの初めての本格的処理ですし、利益相反防止体制も緩いので、陸でもない案件も懸念されますね。
なるほど・・・・・今のところは増資は必要ないと考えているから平和と言うことなんですね。納得です。
米銀の株価が安定することこそが全ての株高の始まりだったと記憶しているので・・・・・記憶の片隅に入れておきたいと考えます。本当に銀行株が崩れると何もかもだめになるから・・・・・
ご返答ありがとうございました。
返事遅れました。。。
>LuciFerさん
祝!祝!祝!サンクスギビングパレードは、Murrah Hill Journal1周年を祝うお祭り、1周年記念にディッシュウォッシャー購入です。(うそ)
>vespaさん
「2010年問題」ですか・・・。10数兆円の不動産ノンリコースとなると、1%ヘアカットごとに1000億超の償却コスト発生になるから、vespaさんおっしゃるように、邦銀のコア収益のみで吸収するには、額がちと大きい感じですね・・・。こちらも、2010年以降イケイケ時の商業用不動産融資の借り換え時期が集中するのですが、明らかに資産リスクが高まってるために、現在の金融機関各社の資本力から言うと、どこまでリファイナンスに耐えられるものやら・・・。一方では、小規模銀行が次々に姿を消してますので、資金需要に対し、融資の供給サイドは量的に絞られるのは間違いなし、と考えてます。
>ROM人さん
金融株は今年3月からの米株上昇のけん引役でしたから、このところ材料出尽くし(?)で、ちょっと停滞気味になってきてるのが気になりますね。しかし、これだけ多くの懸念材料を抱えながら、よくぞ、ここまで持ちこたえていると思います。ここから年末までは「眠ってる赤子を起こすな」の心理で、市場は薄商いになるでしょうから、本格的なボラティリティは来年明け、金融株の“本性”(爆)が明かされたときになるかもしれませんね。
来年の2周年記念はブラックフライデーなので、Murray Hill Journalの2周年を祝う前祝いとして、前日にパレードがにぎにぎしく開催されます(笑)。
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