イールドがゼロ以下ってことは、100ドル投資しても、満期になったら100ドル以下になってる、って意味である。
それでも、米国債に突っ込んだほうがマシ、と思ってるひとがワンサカいるんである。
つい一週間ほど前、12月1日に、【Flight to Quality】で、米国債の一人勝ちになってるという記事をここのブログに書いたけど、株式や社債マーケットから流出している資金がどんどん安全度の高い資産に向かっていて、この傾向は、
もうどうにも止らない。
昨日オークションだったトレジャリーノート(4週間)なんて、クーポン0%ですと。
http://online.wsj.com/article/SB122883278593491329.html?mod=article-outset-box
今日10日は、財務省の高官がトレジャリー大量発行(2兆ドル!)になりそうと発言し、需給懸念でイールドは少し戻してたよう。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601009&refer=bond&sid=aExnCKhMHGro
でも、1~2年前からトレジャリーに投資してた人たち、この【米国債バブル】に笑い止らんだろうな。
あの、PIMCOのビル・グロスまで、「トレジャリー、もっと買っておけばよかったよ~~ん、失敗したよ~~~ん」と泣きごと言ってた。(笑)
で、その「トレジャリーをガンガン買ってた」中国でありますが。
先週、中国政府と米国が通商・金融などについて2国間で話し合う、US-China Strategic Economic Dialogue (SED)が開かれて、ポールセンが中国に行っていた。
その席で、中国側のお偉いたちは、「現在のこの事態を招いた責任は米国にある!中国の輸出も減少してるし、困るじゃないか!くれぐれも中国の投資に損が出ないようにしてくれたまえ!!」とアメリカを辛らつに批判・糾弾したそうだ。
http://www.iht.com/articles/2008/12/05/business/paulson.php
こういう言葉は、中国人一般のみなさまには“わかりやすい政治的プロパガンダ”として通用するけど、米国の市場関係者からは「ケッ、(世界最大のトレジャリーの投資家が)何言ってやがる・・・」という声が聞こえてきそう。
中国元のバリューをアーティフィシャルに低く抑えて内需拡大より輸出優先の自国の経済政策に没頭してたのだって、あんたら自身でしょ。
米国の消費者市場を、ウォルマートとつるんで隅から隅まで Made In China の製品で埋め尽くし、貯蓄率ゼロになっても買い物に走ってるアホウな米国人消費者の姿を遠くからニンマリ笑って見てたのは、他の誰でもない、中国なんだからね。
その中国が「米国の行き過ぎた消費とクレジットの拡大が諸悪の根源である!米国はおおいに反省すべし!」などとレクチャーかましてくれちゃったそうである。
それを聞いて、わたしの口を付いて出たのは、
Look Who’s Talking.
(ちなみに、今年9月末時点で中国が保有する米国債は$5850億ドルで世界最大の米国債保有者。)
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