Wednesday, December 3, 2008

仕事は24/7・・・か?

ペンシルバニア州知事エド・レンデル(民主)が、オフレコ(のつもり)で洩らした「一言」を批判され、謝罪した。
http://firstread.msnbc.msn.com/archive/2008/12/03/1697576.aspx

次期大統領に選出されたオバマは、移民政策も含めた国土保障局の総指揮責任者としてアリゾナ州知事(民主)ジャネット・ナポリターノに白羽の矢を立てた。

アリゾナ州はメキシコと国境を接しており、同州のメキシコからの不法移民問題でナポリターノ氏は経験を積んでおり国土保障局の局長として最適、いうのが理由らしい。

その彼女をつかまえて、レンデル氏ったら、 Janet Napolitano is perfect for the position of Homeland Security Secretary, in part, because she "has no family." (ジャネット・ナポリターノはこの役職にはぴったりだな、彼女には家族もいないし。

レンデル知事、マイクは切れてると思い込んでたらしいんだが、マスコミのマイクにこのひと言がシッカリ入ってしまったんですなー。

レンデルさん、本音を洩らすときは、まわりにマイクロフォンがないかどうか、今後よーく気をつけましょうね。(笑)

レンデル氏は「わたしが言わんとしたことは、ジャネットはわたしと同じで休みなく一日24時間、週7日働きまくる、そういう人だ、という意味だ。」と釈明したが、「家族のいる女性は、仕事の優先順位が低くなる」という意味に解釈したひとのほうが多かったようだ。


レンデル発言とは逆に、「家族がいない女性」だから職務遂行に重要な「何か」が欠けている、という意見を吐いたひともいた。

2007年1月の議会公聴会に召集されたライス国務長官に対し、カリフォルニア州選出議員のバーバラ・ボクサーが「(ライス氏は独身で家族がいないから)イラク戦争で兵士を失った家族のように失うものはない」とライス氏を個人攻撃したのだ。

このボクサー発言も、後日方々で批判されたし、ホワイトハウス報道官は「フェミニズムの後退」とも表現した。

「女性のプロフェッショナルに家族がいる、いない」が、どうして、その人のプロとしての仕事ぶりや判断力に対するイッシューになるのか。

家族がいると仕事の妨げになる?

家族がいないと職務を遂行できない?

どっちだ?(笑) 

どっちでもいいだろ?

女性だろうが、男性だろうが、プロフェッショナルなんだから、「家族あるなし」じゃなくて、「プロフェッショナルとしての仕事ぶりと結果」で能力を判断してよね。

自分の中で「家族」や「仕事」の優先順位をどうつけるかは、男女にかかわらず、各人がつけるもの。

他人にとやかく言ってもらいたくないし、他人の入り込む話でもない。その人その人のチョイスなんだからさ。

かくいう私自身も、ふりかえれば、文字通り【仕事は24/7】のライフスタイルを20年近く続けた。

20年間の過去をやり直すわけにもいかないし、そのときはそれが最良と思っていたんだし、得たものもそれなりに大きかったのだから、自分の選択を後悔しているわけでもない。

でも、素直な気持ちで振り返ると、他のやりかたもあったかもな・・・と正直思う。でも、それは、わたしの、わたしだけのための「反省」ね。



ところで、ぜんぜん話は変わるが「反省」で思い出した。

妻のヒラリーが国務長官になるのを控え、夫であり元大統領であるビル・クリントンが今日のCNNの独占インタビューに出ていた。
http://www.cnn.com/video/#/video/politics/2008/12/03/bts.bill.clinton.rao.cnn

そのインタビューの最後のほうで、「(大統領が)家族と過ごす時間」について話題が変わり、そこでビル・クリントンがふと述べた言葉は、わたしがずっと感じていたこと、そのものだった。

言葉通りではないかもしれないが、趣旨としては、彼は次のようなことを述べたのだ。



「いま自分が現役で政治家をやっていたころのことを振り返ると、わたしは、いつも疲れていた。自分は仕事をするときは、いつも仕事にのめりこむ。でも、そのために、わたしは、いつも疲れていた。人間は疲れていると、最良の判断ができなくなるものだ。」

ビル・クリントンという政治家は骨の髄までポリティシャンで、政治的野望のためには手段を選ばぬ策士という側面もなきにしもあらず。Slick Willie というあまり有難くないあだ名までつけられたひと。

でも、こういう言葉が彼の口から出てくるとき、何故、ビル・クリントンが一般大衆に人気の高い政治家だったかが見えるな。

このひとは、 I am one of you. というメッセージをさりげなく伝える天才。

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