昨日(火曜日)は、議会T.A.R.P.公聴会で、ガイトナー財務長官が「ストレステストの結果はこれから発表になるが、(彼の認識としては)米国の金融機関の多くが自己資本は十分ある」と発言して、金融株を押し上げた。
今日(水曜日)は、大手金融機関の決算が出尽くし、市場の反応は
「なぁんだ、すっごく心配してたけど、金融機関、どこも結構大丈夫そうじゃーーん!」
というウキウキ感が残り、赤字出したモルガンスタンレー除けば、今日(水曜)の前場も金融株は全般に底堅い展開だった。(午後に崩れたけど。)
でも、今後の償却費用の源泉となる住宅市場動向に目を向けると、あいかわらず暗いニュースばっか。
下のグラフは、過去半世紀の、米国の住宅着工トレンドである。過去50年間で最悪。季節調整加えるとさらに悲惨。(ひ、ひでぇ・・・)
今日も、フレディマックとファニーメイの住宅ローンの「プライム」部分がさらに延滞悪化してるというニュースあり、カリフォルニア州でフォークロージャが8割増になったというニュースあり、フレディのCFOが首吊り自殺したというニュースあり・・・。暗いニュースのオンパレード。
でも、金融株の株価のほうは、どんなニュースだろうが、「どんとこい」状態。
何が「大丈夫そう」なのかは誰にもわからないが、ともかく「大丈夫そう」という【ムード】だけがゆらゆらはびこる、今日このごろ・・・。
ニューヨーク株市場、とりわけ金融セクターに漂う、この根拠のない安心ムードを端的に表せば、ワシントンポストに掲載された下のCartoonのような感じ、とでもいいましょうか。(爆)
米国経済の見通し
「ま、もちろん、データポイントをひとつかふたつ見て判断しただけですけどね。」
(画中のオバマの下に、ちっちゃな、ちっちゃな文字で「「ボトムに“希望”の文字を書け」と書いてあるのが、また泣かせる。)
★ ★ ★
実際、3月9日を折り返し点にして、S&P500は、ずっと上昇トレンドにある。
とりわけ、S&P500の金融株インデックスは、3月9日から実に59%の上昇。S&P500全体の上昇率の3倍だ、というんである。
もう一方の債券クレジット市場のほうでは、株式サイドの浮き浮きユーフォリア(Euphoria)とは無縁とばかり、あいかわらず暗~くウジウジとダウンサイドリスクの心配ばっかやってるらしく、銀行発行の債券やCDSのクレジットスプレッドは、ぜんぜん縮小していない。
株価のウキウキムードは、果たして、いつまで続くのか。
下のチャートを見ると、そろそろ、またコレクションがやってきそうな雰囲気ではないか。
4月17日の段階で、S&P500に含まれる株式の89.2%が、50日間移動平均を上回って取引されてる。
さらに、(インデックスをショートするのに使う)S&P500のETFが品薄になっているという話が、市場に流れている。(情報源は、ここ(英文))
うーん・・・不安定な話ばかりだなぁ・・・。
もし、ここで、ふたたびコレクションが来るとしたら、結構、激しく来るんじゃないのか・・・そんな不安が持ち上がってきたんで、いちおう書き留めておこうと思った。
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1 comment:
ここまでくると、もう麻痺状態なのでしょうか?
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