<関連記事>
Egypt, US may make emerging market investors more selective (Reuters, 2/13/11)
上記ロイターの2月8日付の記事から骨子を拾ってみると、
- トムソン・ロイターによると、2月2日までの一週間で、株式ETF全体のネットのアウトフロー$2.173bn。エジプト情勢の不安から、新興国からの流出が最大。リッパー調べでは、新興国株で最大のETF MSCI Emerging Market Fund (EEM)からだけで、ネットのアウトフロー$4.45bn。
- その一方で、経済指標や企業収益に明るさが見えてきている米国に流入し、米国株ETFへのフローは順調に増加。EPFR Global調べでは、米国株ファンドへのネットインフローは$4.78bn。米国株への注目が増してるのが明らか。米国株へのエクスポージャを増やす投資家が増加。
- BRICsでは、インフレ懸念が台頭する中国とインドでアウトフロー、逆に原油価格と相対的なバリュエーションで非常に魅力的なロシアにインフロー。中東・アフリカからはアウトフロー。
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筆者自身もご他聞に漏れず、連日アルジャジーラTVから伝わってくる生生しいエジプト情勢で結構ビビって、手持ちの新興国関連のエクスポージャを2月初旬に減らした大勢の一人なわけだが、EPFR Globalによる先々週の調査結果で、エマージング市場から2月初旬に$7bn流出というニュースでドキドキ感は高まったが、その翌週には、$3bnの流出と減少幅は縮まった。
で、ここから先は・・・というと、なんとなく、ブルな話をしてる人たちが少なからず、いる。
長らく待たれていた新興国株価のコレクションがようやく来た、という意見と同時に、新興国の国ごとにP/Eマルチプルで見たならば、新興国株のマルチプルは平均12倍に満たず「(内需考えたら)ブラジルなんか相当安いぞ」という話など。(下のグラフはCluster Stockより。ソースはUBS。)
エマージングマーケットの平均値よりずっと上にいる国の場合、バリュエーションから、まだ売りは続く可能性は残っているが、ロシアのETFには実際インフローがそこそこある。
債券の方からみても、2007年~08年のコモディティ高のときに、インフレで実質金利がネガティブ圏に陥り、パニ食った投資家が資金を新興国から引き上げる動き続いてボラが上がったりしていたが、当時と比べると、いまはまだまだポジティブ圏なのだから、そんなに心配するな、(但し、今年はボラの高い年になるよ)という記事もある。(下グラフは東南アジア4カ国の実質金利。)
Don’t fret about EM outflows
(Reuters, 2/7/11)
コモディティ高についてはバーナンキのQE2のせいだとFRBを責める声は少なくないが、米株高については、かたくなに企業ファンダメンタルズで説明しようとする人が圧倒多数。
いずれにしろ、各市場それぞれに都合のいい部分のつまみ食い的にいろいろと後追いで理由付けはされてはいるものの、市場全体で一貫性のあるファンダメンタルストーリーは、あまり聞かない感じ。株価でもコモディティ価格でも、ファンダよりもフローのテクニカル主導で動いてる感触を筆者としてはどうしても拭うことはできず、市場のセンチメントはちょっとした刺激から影響を受けてスウィングし易く、安定してると言えるほどの安定感は、実際のところは・・・ない・・・MHJ筆者はそんな風に日々感じてるわけである。
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