Fed profit hits $81 billion (Fortune, 1/10/11)
フツウの銀行がプレスリリースで決算報告をするように、中央銀行もいちおうリリース出すんである。
FRBのリリースはこちら。
リリースの概要は以下の通り。
- 2010年の12行連結当期利益は約$80.9bn、うち$78.4bnを財務省に納める。前年同期より$31.0bn増(。
- 増加要因は2010年期中に保有していた債券の利息収益が増加したことが主因。
- 連銀の2010年事業経費は$4.3bn。
2010年当期利益の内訳は・・・
- オープンマーケットで取得したGSEモーゲージ債、米国債、GSE発行債からの金利収入 $76.2bn(前年$49bn)
- 金融危機時に設立された連結LLCからの当期利益 $7.1bn(←※いわゆるMaiden Lane Cos)
- AIG向けのクレジットからの金利収入 $2.1bn
- AIA Aurora LLCおよびALCO Holdings LLC発行の優先株配当 $1.3bn
- TALFプログラムおよび預金受け入れ金融機関に対する融資の金利収入 $0.8bn
- その他預金受け入れ金融機関向けサービス手数料 $0.6bn
- 連銀から金融機関から受け入れたリザーブへの支払い金利は$2.7bn
過去に連銀から財務省に納められた金額の過去10年の推移を見ると・・・
連銀というのは、彼らが監視している商業銀行が株主なわけであるが、彼らに当期利益から配当金を支払ったあと、そのほとんどが財務省へと納められる。で、去年2010年は、ダントツだったわけである。
「銀行ばっか助けやがって!」とお怒りのみなさん。額は十分ではないかもしれませんが、いちおう、$78bnもの「プロフィット」が金融システムから納税者に戻っていきましたよ!前年比7割増!バーナンキも、どこかのCEOみたいに、何十ミリオンものボーナスなんて貰ってませんからご安心を!
この「FRBによる2010年の儲け」というのは、銀行セクター全体の過去3年間の当期利益合算よりも大きいという。このダントツの実績の、実に95%が、量的緩和政策でバカスカ買い込んだモーゲージ債と米国債からの金利収入だったわけだ。
上のグラフは連銀の総資産の動き。2007年8月時点では$869bnだった総資産が、現在では$2.4tnに膨らんだ。
(あれだけバカスカ債券買って積み上げたら当たり前。これで金利収入増えない銀行がいたら、教えてください。笑)
ただ、上の総資産推移だけみると、残高そのものの伸びならば2010年に大幅増したわけではない。それなのに保有債券のポートからあがる金利収入が6割も増加するというのは、ポートの内訳詳細とその入り繰りもちゃんと調べないといけないわけだが、いま内訳詳細が手元にないので、こちらはあとで。(というより、どこかの証券会社のアナリストがきっとやるから、自分で手間かけたくないw)
銀行がこれだけ債券ポート膨らました場合、問題は今後の金利動向だ。とはいえ、どのみち時価評価してないし、満期までジーーーーと持ち続けるなら別に構わないんですが、「簡単にEXITできるんですか?」という素朴な疑問は、いちおう、ここで投げておこう。
そして、今日のニュースによると、連銀のバランスシートはまだ膨らみそうである。
米FRB、国債買い入れを全額実施する公算=ダラス地区連銀総裁 (ロイター、1/11/11)
※※ 連銀の保有債券の内訳グラフ探し中なので、見つかり次第アップデートします。
1 comment:
はじめまして。ツイッターフォローさせていただいております@USOPTIONS。私もNYにすんでおりまして本業はMID-TOWNで骨董屋を営んでおります。もともと銀行でDERIVATIVE TRADINGをやっておりまして、現在は仕事の合間US株のOPTIONを専門にデイトレしております。妻(アメリカ人)は80年-90年台日本でBANK ANALYSTをやっておりましてマレーさんに親し実を感じました。
毎日のTL楽しみにしております。取り急ぎ失礼いたします。
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