東電 賠償除き赤字5700億円 12年3月期試算
東京新聞の記事って、過去記事を読もうとすると消えてたりするので、後日のために【備忘録】として、全文をここに張っておこう。
【経済】
東電 賠償除き赤字5700億円 12年3月期試算
2011年6月5日 朝刊
東京電力が予想を非公開としている二〇一二年三月期の単体業績を試算した内部資料が四日、明らかになった。福島第一原発の停止や火力発電などへの切り替えに伴って燃料費が八千三百億円増加。今後見込まれる巨額の賠償金を計上していないが、純損失は約五千七百億円に上り、前期の一兆二千五百八十五億円に続く大規模な赤字となる。
社債発行による資金調達が困難になるため、ことし三月末に約二兆一千億円あった現預金は急速に流出し、一二年三月末に一千億円を割り込む計算で、手元資金がほぼ枯渇状態となる。
数兆円規模に達するとされる賠償金の支払いのためには、銀行団の一段の融資や政府支援が不可欠な財務状況に陥る。
財務の健全性を示す指標となる純資産は、ことし三月末の一兆二千六百四十八億円から約半分の六千九百五十億円へと大幅に減少。自己資本比率は過去最低となる5%台に落ち込む見通しだ。
試算は、今後支払うことになる賠償金は現時点で算定が困難なため、仮払金の五百億円分を計上するにとどめた。
主力金融機関などから四月までに受けた二兆円規模の緊急融資は、燃料費の増大や社債償還などがかさむため、一二年三月末までに底をつく。現預金も六月末時点で一兆六千億円、十二月末に五千二百億円にそれぞれ減少。一二年三月末には約九百五十億円となる見込みだ。
資金を工面するため、六千億円規模の資産売却を進める一方、人件費を五百億円強減らして全体で三千七百五十億円に圧縮する。
記事中の数値のいちいちが非常に現実的に感じられ、東電の財務体質が急速に悪化・崩壊してゆく様子が、上の数字をみるだけで手に取るようにわかりますな。
人件費削減だけでは、燃料コスト上昇分を相殺する足しにもならず。資産売却しても賠償金捻出には程遠い。資金繰りの問題は特に深刻。
今後、東電がらみのスキームを考える上で、同社の財務諸表がどのように変化してゆくかは、極めて重要な話だ。
以前、某著名(or 自称?)経済学者がある時点のバランスシートだけを取り出して「国民負担は1兆円以下に減らせる」と喚いている記事を見かけ、それを読みながら、その超絶無知ぶりになぜかこちらのほうがこっぱずかしくなり、読みながら顔が赤くなったほどであるが、この手のアホ談義は、使えないオッサン同士が新橋のガード下あたりで泥酔の勢いかりてやっててもらうことにするとしよう。
上の東京新聞の記事を読む限り、こういう「専門家によるアホ談義」につきあってる時間の余裕は、どこにもない。このままでは東電という企業がかなり近い将来破綻してしまう現実的なリスクが透けて見える。それを念頭に置き、①電力出力確保と②賠償金捻出という二つの最優先事項を、くれぐれも冷静にインテリジェントに国会で議論して東電救済スキームを作ってもらいたい、と願うばかりだ。
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