Saturday, July 23, 2011

Togetter 『証券アナリスト、というお仕事』

某著名美人タレントのお相手が某大手証券会社のアナリストだということで、にわか注目が集まっている(?)「アナリスト」の世界。

Twitterで語った「アナリストというお仕事」をまとめたので、ここに貼り付けておきましょう。
(下に内容が表示されない場合は、リンクはこちら。)

会話の中に出てくるギョーカイ用語は、ご存知ない方のために、下に注意書きとして書いておきます。




<<ギョーカイ用語集>>
  • ベース:基本給(Base Salary)のこと。ウォール街の給与体系については以前ブログで書いたことがありますが、リーマンショック前までは、基本給は低めで、その代わり、その年の利益に従い支払われるボーナスが非常に大きく、ボーナスのほうが基本給より大きい、時には数倍、なんてのは極フツーだったのです。(でも、リーマンショック後にウォール街のボーナスを減らしやがれ!という怒りの世論が沸騰し、その結果何が起きたかというと、ボーナスは確かに減ったがその代わりベースを引き上げるという、アホな結果になりました。)
  • ブティーク・ファーム:ある特殊な業界の投資関連業務を専門に扱う小規模な証券会社のこと。大手の場合は証券の種類や扱う業界の種類など広く網羅する総合証券会社で、それと対極にある。
  • ジュニア、シニア:アナリスト業界と言うのは基本的に「丁稚システム」であり、シニアアナリストの下にジュニアアナリストとしてつきシニアめざして何年か奉公するわけ。入社直後から業界持たせてもらって偉そうに顧客の前で意見述べるなんてことは、許されません。
  • セル、バイ:セルサイド(Sell Side)、バイサイド(Buy Side)の略。セルサイドとは要するに証券会社のことで、証券を「売り込む」側。バイサイドというのは要するにファンドなどの機関投資家のことで、セルサイドに注文だして証券を「買う」側、すなわち証券会社の顧客。
  • IB:Investment Bankingの略。投資銀行業務のこと。IPOなどの「ディール」を手がけるお仕事。ディールが成功すれば、引き受け手数料などの手数料を受け取る。
  • フロー:顧客の注文に従って証券を売買し、売買手数料を受け取るお仕事。
  • プロップ:Proprietary Tradingの略。顧客のためではなく、会社の自己勘定でリスクを取り証券の売買をするお仕事。売買から生じる損益はそのまま会社の業績になる。
  • フロント:セルサイドで、バイサイドの外部顧客と直接やり取りする人たちのグループ。フロントの業務に属するアナリストが客向けに推奨オピニオンを出したり、マスコミに出たりする。(IBやプロップの業務に属するアナリストは、一般の外部顧客にはオピニオンを出さず、所属する部署の目的のためのみに情報提供する。)
  • レーツ、クレジット:セルサイドのフロントは大きく分けて株式部と債券部に分かれるが、レーツもクレジットも共に債券部の構成要素。レーツ(Rates)とは金利商品、主として国債を扱うグループで、クレジット(Credit)とは企業債や仕組み債およびそれらのデリバティブスを扱う。
  • MD: Managing Directorの略。外資証券会社の役職ヒエラルキーにおいては、MDはある意味「すごろくの上がり」に相当し、MDのタイトルもらうと年間の報酬もガクンと高くなるのだ(笑)。
  • HF: Hedge Fund(ヘッジファンド)の略。機関投資家の種類のひとつ。トレード頻度も額も高く、ゆえに落とされる手数料も多いため、セルサイドの上客。

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