Wednesday, November 26, 2008

ホワイトカラー vs. ブルーカラー

今朝、某トークラジオを聴いていたら、某コメンテーターが、こんなことを述べていた。

「金融機関向け7000億ドルの政府支援は即決したのに、自動車のビッグ3の救済案は額がずっと少ないにも関わらず、来月まで議論おあずけ。ウォール街にばかり優先して米政府が巨額の金融支援を続けるのは、ホワイトカラーとブルーカラーを差別しているのではないか。」

ハリウッド映画に出てくるゴードン・ゲッコーみたいなVillainのイメージでウォール街を捉えてる世間一般のひとたちには、どうして金融機関を優先的に救済しなくちゃいけないか、そこは、なかなか理解しづらいところではあるな。

でも、ビッグ3があんなことになっちゃったのも、なんだかんだ言ったところで、ゴールデンパラシュートのことしか脳裏にないコンコンチキの経営陣、すなわち、ビッグ3のホワイトカラー連中がまともな経営戦略を練れなかったという事実と、そういうホワイトカラーと対立することしか能がなく、労使共同でグローバル競争に立ち向かおうという態度を片鱗もみせなかったブルーカラー労組のせいである。

ビッグ3を救済したって「市場経済がドツボにはまっている」という現実には、何一つ変化は訪れやしない。「アメ車産業はアメリカのプライド」なんつー精神論なんぞ、腹の足しにもならんしな。ビッグ3を救済することで当事者以外に唯一恩恵を受ける者がいるとしたら、GMやFordの債券投資家ぐらいでしょ。

でも、金融機関を支援するのは、グリーディなCEOのボーナスを払えるようにしてあげるのが目的じゃなくて、(1)金融機関の資本金に厚みをつけ現在以上の信用収縮を阻止すること、そして、(2)資金の流動性を促してやることで資金繰り倒産の負の連鎖を防ぐこと、という、金融システムとグローバル経済全体を網羅する超どデカイ話をしてるんだもん、優先されるのはあたりまえ。

ホワイトカラーとブルーカラーがどうしただの、いかにも経済音痴のジャーナリストの考え付きそうなポイントだが、市場経済の観点からすれば、ズレていることはなはだしい。

文句があるなら、ウォール街のホワイトカラーじゃなくて、政府からカネ恵んでもらうのにプライベートジェットに乗ってお願いにくる、ビッグ3のホワイトカラーに言え。

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