演説は、オバマのスピーチの動画とトランスクリプト全文が同時にみれるNYタイムズのこちらが非常にいいです。
President Obama's Fourth State of the Union Speech
(New York Times, 1/25/2012)
筆者も夜9時からTVの前に座って演説を聞いていたのだが、オバマの姿を観ながら、もしも、これ、しゃべってるのがニュートだったらと想像して、心底ゾッとした。
そう思う人が多いという前提で、今後の戦略としては、民主党員もみな共和党のフリして予備選挙に参加してニュートにガンガン投票し、ニュート選んでオバマ楽勝、という風に持ってゆくのが、いちばんいい。
そんなことを考えるのは私ひとりではなくて、クリスチャン・サイエンス・モニターに同様の記事があった。
Like Obama? Vote for Gingrich
(Christian Science Monitor, 1/20/12)
In most states, however, unaffiliated voters can vote in either party’s primary, and partisans, in some cases, can cross party lines to vote in the other party’s primary. In these states, which include Texas, Ohio, and Illinois, Obama supporters should show up and vote in the Republican primary – and, for strategic reasons – they should vote for Newt Gingrich.
Many people are unaware that there is considerable variation in primary election systems – across both states and parties. The Supreme Court has ruled that states cannot dictate primary election participation rules to parties, and parties in many states do not restrict participation to partisans. So Democrats in these non-closed primary states can show up and vote in the Republican contests. Given the shear number of Democrats in these states, their influence in Republican contests can be considerable.
(拙訳)多くの州では、どちらかの党に所属していない有権者でも予備選挙で投票することができる。また党員であっても、党派のラインを超えて相手の党の予備選で投票することも可能な場合もある。テキサス、オハイオ、イリノイなどがそうした州の例だが、オバマのサポーターは共和党の予備選挙に出かけていって、戦略的な理由からニュート・ギングリッジに投票するべきだ。
多くの人に知られていないことだが、予備選挙システムは州によっても党によってもかなりのバリエーションがある。州は予備選挙の参加者ルールを支持政党でくくることはできないという最高裁の判決があるし、多くの州は参加者を党員に限定していない。そのため、こうした党限定にしていない州の民主党員は共和党員のコンテストに出向いていって投票できるのだ。これらの州の民主党員の数を考えれば、共和党コンテストでの影響は相当なものになろう。
予備選参加者ルールを党でくくれないという「最高裁判決」があるなんて、筆者もこの記事読むまで知らなかった。
自分らの推す候補者の勝利を確実なものにするために、他党員が敵政党のプライマリー(予備選)に出向いて戦略的に投票するというのは、過去に実例があって、1930年代のニュージャージー州の知事選挙では、2万人の民主党員が共和党プライマリーにおしかけてゆき、『One-Day Republicans(一日限りの共和党員)』と呼ばれてスキャンダルになり、大騒ぎだったそうだ。
NJ州ジャージーシティ市のサイトに、その記述がある。
In a field of four candidates, Judge Carey lost to State Senator Morgan F. Larson, of Perth Amboy through an electoral sleight-of-hand implemented by Frank Hague. Twenty thousand Democrats, mostly from Hudson County, invaded the Republican Primary to insure Carey’s defeat. The “One Day” Republican scandal rocked the State.
2万人も他人の庭に押しかけていったとは・・・アメリカ人は、政治に熱くなる人がほんと多いですねww (記述も「invade」という単語を使ってて笑った。)
ニュートはこれまでいくつかの州で開かれた党員集会や予備選挙で、共和党内の政敵ロムニーを相手にかなり健闘しているものの、上述のクリスチャン・サイエンス・モニターの記事にもあるように、本選になれば彼の過去の発言のブレや人物像がいろんな角度から突っ込まれやすいというのと、イデオロギー的に考え方が極端すぎて中道票が取りづらい、といった理由から、共和党内でも、「ニュートではオバマと戦えない」「共和党最終候補者としては弱い」という見方が依然と根強い。(だから、相手がニュートならばオバマは勝てる、という見方がある。)
一方のロムニーだが、彼の場合はルックスと頭の回転のよさでは共和候補者の中ではいちばん大統領らしく(笑)、消去法で行けばロムニーになるだろうと考える人が実際多いし、また、共和内中核ネオコン軍団も(やはり消去法で)ロムニーを推すと決めたようだ。
だが彼は、プライベート・エクイティのベイン・キャピタルの創始者で、「政界入りする前はウォール街のハゲタカだった」というイメージがどうしてもつきまとい、またビジネスの成功者として年収もハンパない金持ち。リーマンショック以来「悪徳ウォール街」に責任押し付け魔女狩りに便乗して票集めしてきた米政界だけに、彼のそういうバックグラウンドが本選でどう影響するかいぶかしむ人もいる。
24日のオバマの一般教書演説では、富裕層にやさしい(というか、配当収入や投資キャピタルゲインにかかる連邦税率が15%で低いんですよね)個人所得税の現状を是正するよう訴える内容も含まれていたが、ロムニーの場合、まさに、この「投資収入で食ってる富裕層」に相当する。
ミットはずっと個人所得税の申告書を公開を拒んでいたが、周囲から連日圧力かけられて、ついに公開するハメに。
それによれば、彼の2010年の年間所得は$20ミリオン超、年間$3ミリオンの寄付を行なったが、年収のほとんどが投資収入であるため、税金支払額は$3ミリオン、つまり、「不公平」とされてる15%程度の実効税率なんである。2011年もやはり$20ミリオン超の収入。
Romney Paid $3 Million in Federal Taxes in 2010
(NPR, 1/24/2012)
筆者はなんだかんだ言って最後はロムニーが最終候補者になるだろうと思ってはいるのだが、個人的には、例の「わんこ事件※」でヤツの本質を見た気がして、ロムニーは生理的に好かない。ヤツが最終候補になっても、何がなんでもオバマに再選していただきたい。
※「ロムニーわんこ事件」につきましては、パーソナルブログのほうに以前書きましたので、ご興味あるかたは、こちらをどうぞ。
Dogs Against Romney
(Fast Lane Slow Life II, 1/14/2012)
This article helps me a lot. Nice work!
ReplyDelete>Dan, thanks for your feedback!
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