Monday, December 1, 2008

感謝祭後は悪いニュースばっか、米国債の一人勝ち



今日のNYダウ、700ポイント近くも下げて、先週の上昇分の半分以上を一日で吹き飛ばした。



NBERによると、米国のリセッションは1年前から始まってたそうである。http://www.marketwatch.com/news/story/Recession-began-a-year-ago/story.aspx?guid=%7BFDD60E1C%2DDD65%2D49AB%2D8421%2D507B79C14220%7D

NBER(National Bureau of Economic Research)ってリサーチ機関は、米国の景気の状態に「お墨をつける」のが唯一仕事のような機関。そこが「米国はどっぷりリセッションだ」と言ってるというだけで、こうしてニュースになる。

しかし。

そんなわかり切ったことをいまさらNBERに確認してもらったって、こちらとしては「はぁ、やっぱりそうでしたか・・・お疲れ様でした・・・」と弱々しくねぎらうしかない。



ブラックフライデーの売り上げが3%増だの7%増だの、そんなのも、どうでもいい話。売り上げは確かに伸びたが、客寄せのためにディスカウントかけすぎて、原価割れして、“ブラック(黒字の)フライデー”のはずが”レッド(赤字の)フライデー”になったトホホな小売業者もいるらしい。前回も述べたが、長期的に下向きの状況下で一時的な売り上げが増えるか減るかなんてのは、デイトレーダーは別として、トレンド眺めてる連中には、一切無意味な議論だよ。



12月15日に、連銀のFOMC(ポリシー会議)があるが、さらなる金利の下げを市場は期待してる。FFレートは現在1%、2003年と2004年の金利水準と同じ。これ以上のFFレートターゲットは歴史的な低金利水準となるが、今日のテキサス講演でのバーナンキ連銀議長の発言にも出てたけど、(日本のように)政策金利をゼロまで落とす、ってのは、すでに連銀の視野に入ってるのは明らか。

"Although conventional interest rate policy is constrained by the fact that
nominal interest rates cannot fall below zero, the second arrow in the Federal
Reserve's quiver -- the provision of liquidity -- remains effective,"

(通常の金利政策は名目金利がゼロより低くなることはないという事実に制約されるが、流動性の確保という連銀のもうひとつの政策手段は有効に使っていきたい。)

Wall Street Journal 09.12.01 : http://online.wsj.com/article/SB122815304785769411.html


でも、ゼロまでは100bpsしか残ってない・・・。


ではどうやって市場の「流動性」に手を打つかというと、米国債やGSEなどの政府保証債の【買い戻し】を進めるらしい。


この発言を受けて、今日の米国債の長期イールド、当然ながらドバーと20bpsも低下した。30年債なんて26bps低下でイールド3.182%、1977年以来の低水準ですと。米国債の一人勝ち。


でも、この一年ぐらいの連銀みてると、保証は出しまくるわ、CPは買いまくるわ、ローンは出しまくるわ、訳わからん資産を担保にレポ結ぶわ、さらにはエージェンシー債も米国債もドーンと買いましょう!と胸張るわ。


この、「連銀への市場リスクの一極移動集中」を連日見せられてたら、こちらも部外者とはいえ、「金融機関のバランスシートも心配ですが、中央銀行自体のバランスシート、そちらも大丈夫なんでしょうか・・・」と心細くもなるではないか。


で、注目のクレジット市場はどうだったか、というと・・・


IG企業債CDSインデックス、今日だけで23bps拡大して263bps、ヴァリューで史上最悪まであと一歩の77まで落ち込んでるという。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20602007&sid=aCCUwx_JVw4w&refer=govt_bonds


ダメじゃん・・・


金融機関のCDSになったら、見るのも怖いから、あえて確認しない。(笑)

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