Wednesday, November 26, 2008

GSとMS、FDIC保証付債券を無事発行―めでたい話の脇でLIBORは上昇

モルガンスタンレー(MS)が、$5.25Billion規模のシニア債券を「難なく」発行できたというニュースを読んだ。

米政府の金融市場安定化政策の一環として出されてきたプログラムに参加して、FDICから保証をつけてもらって市場で債券調達したんである。

発行条件は、Forbesの記事にあるとおり。
http://www.forbes.com/afxnewslimited/feeds/afx/2008/11/26/afx5748632.html

$5.25Billion(約5000億円)は期間とクーポンがそれぞれ異なる3つのトランシェに分かれていて、最長トランシェは3年ものシニア債、クーポンは3.25%、とある。

昨日は、ゴールドマンサックス(GS)が、MSとほぼ同様の条件(3年、3.25%、$5Billion)で、やはりFDIC保証債を発行をしたとも聞いた。

保証債だからトリプルA格。3年で3.25%だから、プレミアムが200bpsついたってことだけど、200bps程度のスプレッドでそれぞれ$5Billion も発行できたことは、昨今の最悪の債券市場の状況からすれば、【実にめでたいニュース】である。

いくらFDICの保証がついてると言ったって、3.25%ってのは、発行体からすれば、良条件のような気がするな。GSやMSの場合、CDSが800bpsだの900bpsだのとプライシングされているわけなんだから。

このプログラムでは、FDICから保証をつけてもらうために100bpsの手数料を政府に払わなくてはいけないそうなので、最終コストとしては4.25%。それでも、いまどきの調達コストとしては、悪くはないよね。

発行体にとっての好条件ということはつまり、投資家からしてみたら条件悪い、って意味だけど、金融危機の“主役級”の金融機関が発行する債券を、向こう3年、200bpsで引き受けてあげましょうという、性根のやさしい買い手は、どこのどいつだ?(笑)

GSやMSのバランスシートの規模からいえば、$5Billion 程度の調達できたといって手放しで喜んでても始まらないけど、「正常な調達」ができたのは半年ぶり以上だというのだから、その意味で【めでたい】と言ってよかろう。

しかし・・・

GSやMSだから発行できた、という点は忘れちゃいけないな。これ、Citiなら、どうよ、と、あたしでも思っちゃうもん。

この【めでたいニュース】のすぐ脇で「LIBORは上昇してる」という【めでたくない】見出しが目にはいった。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=au4kwH69UVjY&refer=home

Libor-OISスプレッドは拡大してる、という。うーん・・・スワップのほうがそんなに高くついてるか・・・

コンフィデンスが「回復期」に入ったと呼ぶには、まだまだ時期尚早ですね。

いまどきの資金市場のコンフィデンスの欠如の激しさときたら、底なしに深いな・・・。

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